人材派遣会社のコーディネーターの未来
人材派遣会社の人材コーディネーターの未来は、とても明るいと断言できるでしょう。喜怒哀楽をもつ「人」と直接関わる仕事は、コンピュータではできないものです。働く人の「働き甲斐」を引き出し、喜びのある職場での就業を実現することは、人生に対する最大の応援といってもよいでしょう。派遣労働の不利な点に焦点があたることも少なくありませんが、相談役も仲介役もない条件で不満や不安を募らせて働いている一般の正社員よりも恵まれている点も少なくないといってもよいかもしれません。
人材派遣会社の人材コーディネーターは、単なるキャリア相談ではなく、実際の就労を支援している大事な仕事をしているので、なくなるということはありません。人材派遣会社も、紹介予定派遣や一般紹介事業、人事計画の立案など、広く人材確保のサポート業務をすすめており、事業内容が変化してきていますが、人材コーディネーターの仕事がなくなることはありません。
人材派遣会社が今後、持ち株会社とその傘下のグループ企業・関連企業、下請け会社を横断したグループ内の人材交流事業を請け負うようになってくることもあるでしよう。人事異動によるミスマッチを防ぎ、適材適所の人材コーディネートを実現するようになるでしょう。人材コーディネーターは、その中心で活躍することになるでしょう。
人材派遣会社で人材コーディネーターが活躍する機会は、いわゆる企業のＭ＆Ａ（合併・買収）、事業提携といった際にも増えてくるものと思われます。人事施策で失敗すれば、せっかくの企業合同が業績悪化に繋がることもあるのです。事業提携はもちろん、ジョイントベンチャーや企業間のコラボレーションにおいても、映画のキャスティングを決めるように、人材コーディネーターによる「人材デザイン」が必要になってくるのです。
人材派遣会社の業務は、さまざまに拡大しており、最近では、雇用条件のスタンダードを人材派遣会社が提案するようになっています。特に人材コーディネーターの機能がうまく作用して、労働環境の整備がすすむようになりました。人材コーディネーターが良識的な雇用環境を提案することによって、働きやすい環境が整備されてきたことは、事実のようです。派遣という働き方が不安定雇用ではなく、安定雇用になる傾向が高まっているのは、法令遵守や働きやすい環境づくりを企業に提案してきた人材コーディネーターの誇るべき実績といってもよいでしょう。